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暮らしの情報・まめ知識 2024/11/1

LDCレポート11月号

■冬の安全な入浴のために気を付けたいこと。

 寒さで体も縮こまるこの季節、1日の終わりのあたたかいお風呂は、思わず「はぁ~」と声が出てしまう至福のひとときではないでしょうか。体を清潔に保つだけでなく、抜群のリラックス効果もある入浴は、年齢を問わず好きな人が多いですよね。ですが世代によって入浴の仕方も変わります。今回はシニア世代の入浴時の安全対策についてのお話です。

 高齢者の入浴時の事故というと転倒が多そうですが、消費者庁の資料によると、浴槽内での、または浴槽への転落による溺死・溺水が全体の約8割を占めています。でもなぜ溺れてしまうのでしょうか。原因の1つとして考えられているのは、ヒートショックです。急な温度差によって血圧が大きく変動し、体に負荷がかかって一過性の意識障害を起こし、溺れてしまうのです。特に冬場に多く発生しています。

 このような事故を防ぐための注意点としては、まずは「住まいの温度のバリアフリー化」。脱衣所をあたたかくして、リビングとの寒暖差を少なくします。次に「温度と時間を意識」。湯温は41℃以下、お湯につかるのは10分まで。浴室の給湯器のリモコン表示やタイマーなどを使って、温度と時間を見える化しましょう。そして「浴槽から出るときはゆっくり」。浴槽から急に立ち上がると、めまいや立ちくらみを起こすことがあります。手すりや浴槽のへりなどにつかまってゆっくり立ち上がるようにしましょう。さらに「入浴時の声かけと見守り」。入浴前に家族にひと声かけることと、家族の方も気にかけておき、何か異常を感じたら声をかけるようにしましょう。

 風呂場でぐったりしているのを発見したら、まず溺れないように浴槽の栓を抜いてください。そして入浴者を浴槽から救出します。出せない時はふたに上半身を乗せて沈まないようにしましょう。状況を見て救急車の要請などをします。

 入浴は体をあたためるだけでなく、健康効果もあります。安全に気持ちよくお風呂を楽しみたいですね。

※参考:

政府広報オンライン  https://www.gov-online.go.jp/

消費者庁       https://www.caa.go.jp/

株式会社ノーリツ   https://www.noritz.co.jp/

大阪市ホームページ  https://www.city.osaka.lg.jp/

 

冬こそおすすめ、蒸し料理。

 寒さの厳しい季節は、ほかほかの湯気で体も心も温まる料理が人気ですが、ついつい「鍋料理」に頼ってしまいがち。でもお鍋の他にも、簡単であつあつで、しかもヘルシーな調理法がありますよ! それは「蒸し料理」です。

 蒸し料理は水を加熱し、発生した水蒸気の対流を利用して食材を調理する方法です。和食の基本料理の1つでもあり、会席料理には酢の物や煮物などとともに出されます。「蒸して食べる」歴史はとても古く、今から6000~7000年ほど前、東アジアで発達したといわれます。日本に伝わったのは弥生時代末期のこと。お米も蒸して食べていた時代もありました。別府温泉名物の地獄蒸し料理も、江戸時代にはすでにあったという記録が残っています。

 蒸し料理の良いところは、まず「調理に油を使わなくてすむ」こと。焼く、炒める、揚げる際は多少なりとも油を使いますが、蒸すのに油は不要です。次に「栄養素が溶け出しにくい」こと。茹でると失われるビタミンなどが流出するのを抑えられます。さらに「お肉がやわらかくジューシーに仕上がる」こと。ある企業の比較実験によれば、蒸し器を使った鶏もも肉は茹でるよりも電子レンジよりも、しっとりとやわらかく仕上がるという結果が出ています。最後が「蒸すことで食べやすくなる」こと。寒い時期は冷たいサラダはあまり食べられませんが、蒸して温野菜にすれば、ホットサラダとしてたっぷりの量を食べられます。

 さて、蒸すという調理法が水蒸気を利用すると聞いて思い出すのは、2002(平成14)年に発売され、一世を風靡した調理家電、スチームオーブンレンジでしょう。庫内で過熱水蒸気を発生させて調理するしくみです。オーブンの「外は焦げているのに中は生焼け」や電子レンジの「ラップをしないと食品の水分が飛んでパサパサ」のどちらも解消してくれる上に、スチーム機能を使った、余分な塩分や油を除去したヘルシーな調理ができるところに「蒸す」実力が発揮されていますよね。

 せいろや蒸し器がなくても、シリコンスチーマーやタジン鍋などいろいろな道具が選べる時代です。もっと気軽に「蒸し活」をしてみませんか?

※参考:

奈良文化財研究所   https://www.nabunken.go.jp/

別府温泉地球博物館  https://www.beppumuseum.jp/

生活と化学      https://sekatsu-kagaku.sub.jp/

小林食品株式会社   https://www.kobayashi-foods.co.jp/washoku-no-umami/

TDK株式会社      https://www.tdk.com/ja/index.html

パナソニック株式会社 https://panasonic.jp/

データ出典/東京ガス都市生活研究所 https://www.toshiken.com/

 

119番の日に確認

 11月9日から、秋の火災予防運動が始まります。この日は「119番の日」でもあるのをご存じでしたか? 消防への正しい理解と認識を深め、意識を高めることを目的として、1987(昭和62)年に制定されました。

 消防用の3ケタの番号が制定されたのは1926(大正15・昭和元)年のこと。電話サービスが交換手を介さない自動交換方式になり、ダイヤル式電話の登場とともに消防用の電話番号「112」が誕生しました。しかしかけ間違いが続出したため、翌年に「119」へと変更しています。余談ですが、警察につながる110番が使われるようになったのは、消防の番号制定から20年あまり後の1948(昭和23)年のこと。しかもこの番号が適用されたのは東京や大阪など一部の都市のみで、地域ごとに数多くの緊急連絡番号がありました。現在のように全国で「110」に統一されたのは、それからさらに6年後の1954(昭和29)年です。

 さて、119番に話を戻しましょう。携帯電話の普及に伴って、119番通報を携帯電話からかける割合は、全体の約4割を占めています。外出先でもすぐ通報できて便利ですが、自分が今いる場所の住所がわからない場合も。そんな時は近くの電柱や自動販売機で住所を確認しましょう。目標物となる目印、例えば交差点の信号名も有効です。

 さらに、ぜひ覚えていただきたいのが、「119番通報ができない電話がある」ということです。050から始まるIP電話や、LINEなどの通話アプリ、携帯電話やスマートフォンでもSIMの種類によっては緊急通報を利用できません。自宅の固定電話をIP電話にしている方は、エリアを管轄している消防本部の電話番号を登録し、その電話番号に通報するなど対策をとっておきましょう。

 また、近年は救急車の出動件数・搬送人員数は増加傾向にあり、2021(令和3)年の救急出動件数(消防防災ヘリコプターも含む)は、約620万件。救急車は約5.1秒に1回の割合で出動していて、国民の23人に1人が搬送された計算になるそうです。

 救急車の適正利用が叫ばれていますが、いざという時「救急車を呼ぶケースなのかどうか」の判断がむずかしいことも。そんな時はお住まいの都道府県や市町村の救急相談窓口に相談してみてください。救急車を呼んだら用意しておくといいものは、保険証や診察券、お薬手帳、現金、乳児の場合は母子手帳など。そして、帰宅時に必要なので「靴」を忘れずに。

 119番の日をきっかけに、実家の固定電話の契約回線、ご自分や親御さんのスマホが緊急通報に対応しているかどうか確認してみてはいかがでしょうか。

※参考:

総務省消防庁      https://www.fdma.go.jp/

KDDIトビラ         https://tobira.kddi.com/

つくば市ホームページ  https://www.city.tsukuba.lg.jp/

綜合警備保障株式会社  https://www.alsok.co.jp/