LDCレポート【2月号】
■大切な用事を忘れないために
新型コロナウイルスが5類に移行した昨年の春以降は、久々の旅行や友人などとの約束でスケジュールがいっぱいだった方もいらっしゃるのではないでしょうか。うっかりを防ぐために何度も手帳やカレンダーを確認したり、スマホで管理しているという話も耳にしますね。でも、いろいろな用件が重なり「ダブルブッキングした」「すっかり忘れていたために大変なことになった」などという声も。失念するのは約束事だけではなく、記念日や誕生日といった大切な予定におよぶこともあります。
そんな〝事件″を未然に防ぐための機能、それが「リマインド」です。思い出させる・念を押すといった意味で、ビジネス用語としては、思い起こさせること、再確認すること、という定義です。
リマインダーは「予定の日時に通知をする機能」のことで、検診の予約、次に髪を染める時期の通知、スイーツなどの予約開始日、お孫さんの行事にかかわることなど、忘れてはいけない予定の管理に重宝します。手帳でも予定管理は可能ですが、リマインダーの良いところは、「お知らせしてくれる」点。アラーム機能と連動しているので、日にちだけでなく時間の間違いなどがなくなります。
リマインダーはパソコンでも使えますが、スマホから設定して使うのが便利でしょう。iPhoneならリマインダーアプリが標準で入っていますし、androidならgoogleカレンダーを使うのがおすすめです。遠く離れた家族と予定をシェアしたり、パソコンと連動させることができるリマインダーアプリもあるので、自分が使いやすいのを選んでください。
家族が増えれば記念日も増え、スケジュールも埋まっていき、何かと忙しい私たち。せっかく便利な時代に生きているのですから、リマインダーを上手に活用したいものです。
※参考:
KDDI株式会社 https://tobira.kddi.com/
サライ.jp https://serai.jp/
Google Support https://support.google.com/keep/answer/3187168?hl=ja&co=GENIE.Platform%3DAndroid マイナビニュース https://news.mynavi.jp/
■地図の世界はおもしろい
10年以上前に「話を聞かない男、地図が読めない女」という本がベストセラーになりました。脳科学の書籍でしたが、たしかにそうかもという共感の声が話題になりましたよね。
昔に比べて地図を読む必要がなくなった、という声も多く聞かれますが、それはインターネットの普及により「紙の地図」を広げる機会が減ったというだけであって、飲食店検索サイトの店のマップなど私たちの生活の中で地図は欠かせないものとなっています。 一方で地図を読むのが大好きというファンもたくさんいます。「古地図」で江戸時代に思いを馳せたり、現代の地図と重ね合わせて変化を見たり。「全国地価マップ」では、住んでいる場所だけでなく、実家や旅行で訪れた場所などの土地評価情報を見ることができます。また、名字を入れるとどこの都道府県に多く住んでいるのかがわかる「名字マップ」もあるそうです。
そうそう、地図上に表示される地図記号も時代とともに変わっているのをご存じでしょうか。意外なところでは銀行、都道府県庁、電報電話局が使われなくなっています。また牧場、塩田、古戦場なども同様です。反対に新しく生まれた地図記号は老人ホームや博物館、図書館、自然災害伝承碑などで、社会の変遷を物語っていますね。
地図は、自分や家族を守ってくれるツールでもあります。洪水や土砂災害など身の回りの災害リスクを調べる「ハザードマップ」の他、災害時に自宅に帰るための「帰宅支援マップ」は、一時待機の支援施設の位置や帰宅支援対象道路などが表示されている、紙の地図です。
今や地図はどこかに行くための案内図だけではなく、過去を記録し、現在を知り、未来につなげる、そんな役割を果たしているのかもしれません。
※参考:
国土交通省 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/
一般財団法人 日本地図センター https://www.jmc.or.jp/
株式会社 主婦の友社 https://shufunotomo.co.jp/
古地図コレクション https://kochizu.gsi.go.jp/
今昔マップ https://ktgis.net/kjmapw/
全国地価マップ https://www.chikamap.jp/chikamap/Portal
名字マップ https://www.dmuchgis.com/myojimap/
ハザードマップポータルサイト https://disaportal.gsi.go.jp/ 株式会社昭文社ホールディングス https://www.mapple.co.jp/
■恵方巻、そして渡り鳥
いきなり共通点のない2つの言葉のタイトルで失礼します。今回は「方角」のお話です。
節分の行事食としてすっかり浸透した恵方巻。今年の恵方は「東北東」です。恵方とは、その年の十干によって定められる最もよいとされる方角で、そこには歳徳神(としとくじん)がいるといわれています。無言でその方角を向いて食べるのが推奨されているので、毎年「黙食」を実行しながら恵方巻を頬張る方も多いのではないでしょうか。
恵方となる方角を確認するのには、方位磁石(コンパス)が有効です。ちなみに方角と方位は同義語ではありますが、異なるものなので「方位(・・)磁石」は「方角(・・)磁石」とは呼びません。その違いは、方角は地点からの方向を指す場合に使われています。南の方角、といった使い方だけではなく、海の方角、学校の方角などのように広く使うことができます。一方、方位はある地点からの東西南北を表す際に使われているのです。
さて、ここで渡り鳥の登場です。渡り鳥は地図もなく道路もない大海原を、なぜ迷わず目的地に到達できるのでしょう。それは、彼らが太陽の位置で方角を知ることができるからです。最近の研究で、渡り鳥の脳内に頭が特定の方位を向いた時に活動するコンパスのような細胞が発見されました。地球は大きな磁石なので南北方向に地磁気が飛んでいます。渡り鳥の体内コンパスと、地球の磁場を感知する能力で、彼らは「渡る」のですね。
節分は、ふだんはほとんど気にすることのない「方角」を意識する日でもあります。食事中の会話を控えて恵方を向きながら巻き寿司をいただくすべての皆さまに、幸せが訪れますように。
※参考:
一般財団法人 日本地図センター https://www.jmc.or.jp/
国土交通省国土地理院 https://www.gsi.go.jp/
名古屋大学研究成果発信サイト https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/
CANON BIRD BRANCH PROJECT https://global.canon/ja/environment/bird-branch/
ニューズウィーク日本版 https://www.newsweekjapan.jp/