LDCレポート【9月号】
■その時、困らないための持病薬の備え
9月1日は「防災の日」。今年は制定の由来となった関東大震災から100年の節目でもあり、防災への意識も高まっているようです。加えて近年は大規模災害も多く、地震や豪雨などの災害はいつ起こるかわかりません。外出先で被災して交通網が遮断し帰宅ができなくなったり、携帯電話などの通信が困難になったりと、突然だからこその不測の事態も発生します。
そして、被災者が避難生活で困ったこととして上位にあがるのが、慢性疾患など持病のための薬の問題です。自分は避難できても医療機関が被災して受診ができなくなるケースもあり、命にかかわることから、「防災と持病薬」を考えることはとても重要です。
持病の薬は最低3日分、できれば7日分の用意があると安心と言われますが、非常用持ち出し袋に入れるのは注意が必要です。
市販の薬は、外箱に使用期限が記載されています。一方、お医者さんで処方された薬や薬局で調剤された薬には使用期限がどこにも書いてありません。が、日本製薬工業協会のウェブサイトを見ると「製造後、未開封の状態で3~5年」だそうです。ただ、処方された時点で製造からどのくらい経っているのかがわかりません。そのため、常に新しい薬を予備薬へ回すようにし、入れ替え作業が楽なよう、非常持ち出し袋ではなく、持ち出しやすい場所に保管するのがおすすめです。
同時に手持ちの薬がなくなった時に、必要な薬を手に入れられるような備えもしておきましょう。お薬手帳のコピーをとっておく、調剤薬局でもらう薬の説明が書かれた紙を保管しておくといったアナログ式と、お薬手帳をスマホのアプリで管理する、薬のシートの名前と成分量が書いてある部分をスマホのカメラで写真に撮っておくなどデジタル式があります。バッテリー切れや水濡れ、紛失などどちらも一長一短あるので、できれば両方備えておくと安心です。その他、離れて住む家族に薬のことを知っておいてもらうのもよいそうです。
いざという時のために自分で「薬とお薬手帳」を準備しておくことは、もちろん大切なことです。でも万一持ち出すことができなくても、有事の際に最優先にすべきはご自身の安全の確保だということも忘れないでくださいね。
※参考:
日本医師会 https://www.med.or.jp/
日本製薬工業協会 https://www.jpma.or.jp/
一般社団法人 兵庫県薬剤師会 https://www.hps.or.jp/
防災ニッポン+ https://www.bosai.yomiuri.co.jp/biz/
■月にまつわるエトセトラ
少しずつ秋の気配を感じる今日この頃。2023年の「中秋の名月」は9月29日、満月もこの日です。そういえば、中秋の名月は毎年日付が違うのも不思議ですよね。それは、満月は太陽と地球、月の位置関係で決まるため、ずれが生じるからなのだそうです。
いにしえの人々にとって月は身近な存在だったのでしょう、その姿を風情ある名前で呼んできました。三日月や満月はもちろん、十六夜月、立待月、下弦の月など数多い呼び名があり、いずれも美しい響きで月への関心の高さがわかります。京都の桂離宮は日本庭園の素晴らしさで知られていますが、平安時代から月の名所として知られる桂の地に造営するにあたって、「月波楼」「月の字の引き手」など月にまつわるデザインや観月の仕掛けを施し、月を眺めるために建てたとも言われます。
さて、漢字の「月」という字は象形文字で、月の欠けた形からつくられています。この「月」が多く使われているのが、人の体を表す漢字です。例えば脳、腹、肩、腰、肺、肌、筋。どこかに月の字がありますね。なぜお月様が人体に?と思いますが、こちらの月は漢字の肉が簡略されたもので「にくづき」と呼ばれます。さらに「月」には漢字の舟が変形した「ふなづき」があり、潮や服(もともとは舟の添え板の意)など、舟に関連した漢字に使われます。この3つの月、本来は違いがあってちゃんと書き分けられていましたが、今は同じになっています。蛇足ですが、膝の「半月板」と心臓の「半月弁」は、空に浮かぶ月に関連する名称だそうです。
地球から見える月の模様は、日本では餅をつくウサギですが、世界を見てみるとワニ、ロバ、ライオン、編み物をする女性などさまざま。古今東西、人々は夜空に浮かぶ月を眺めて空想を巡らせてきたのですね。
※参考:
国立天文台 https://www.nao.ac.jp/
暦生活 https://www.543life.com/
養命酒製造株式会社 https://www.yomeishu.co.jp/
LEON https://www.leon.jp/
宮内庁 https://www.kunaicho.go.jp/
株式会社LIXIL https://www.lixil.co.jp/
朝日新聞digital https://www.asahi.com/
レファレンス協同データベース https://crd.ndl.go.jp/reference/
■インターネットのある毎日に感謝して
電車やバスの乗り換え検索、ショッピング、調べものなどなど、インターネットを使わない日はないといっても過言ではない、現代の暮らし。チケットの発券やオンラインでつながった決済システムなど、社会インフラにも欠かせません。
そんな「インターネットのある暮らし」に感謝して祝う日が、9月22日の“One Web Day”です。世界的な記念日で、インターネットの維持と進展、普及を目的として設立されました。
今や当たり前にあるインターネットですが、当然のことながら自然発生したわけではなく、人類の優れた知恵を集めた、まさに英知の塊です。その起源は、1967年に米国国防総省が資金を提供して開発を進め、2年後の1969年、研究者のために運用されたネットワークでした。日本では1984年秋、東京大学・東京工業大学・慶応義塾大学の3つの大学を結ぶネットワークとしての運用が始まっています。
専門家や研究者のためのネットワークだったインターネットが個人に大きく門戸を広げたのが、1995年のこと。Windows95を始めとするパソコンにインターネット接続サービスが登場したことで爆発的に人気を博し、誰もがインターネットを使えるようになりました。
インターネットサービスはその後も大きな飛躍を遂げ、まさに日進月歩。コロナ禍では、リモート勤務やテレビ会議、コンサートや演劇などのオンライン観劇、病院の電子カルテやオンライン診療といった、さまざまなサービスが一気に普及したのも記憶に新しいところです。
しかしインターネットは、大変な便利さの反面、数々の危険をもはらんでいます。「炎上」という言葉に代表される、個人への攻撃や誹謗中傷は大きな問題ですし、一度ネット上に出たものは半永久的にネットの海を漂い続けます。安易に投稿しない、一度時間を置く、冷静になってから実行することが、身を守るためにも安心です。個人情報の扱いに気を付け、さまざまなサービスのIDとパスワードをきちんと管理するのも大切なことです。
AIの普及と進歩も目覚ましい中、それらを便利に賢く使いこなせることとその環境に、感謝したいものです。
※参考:
総務省 https://www.soumu.go.jp/
CNET Japan https://japan.cnet.com/
YOUTH TIME JAPAN project web https://www.ytjp.jp/
サライ.jp https://serai.jp/
PRESIDENT Online https://president.jp/
富士通japan株式会社 https://www.fujitsu.com/jp/group/fjj/