LDCレポート【2月号】
■ココア雑学
寒さが厳しいこの時期は、あまーいココアがおいしいですね。バレンタインデーを控えてチョコレート売り場もにぎわっています。
ココアの原料であるカカオの木の学名は、「テオブロマ・カカオ」。
ギリシャ語で「神様の食べ物」という意味で、昔は貨幣として使われていた大変貴重なものでした。ココアはカカオの別称で、ヨーロッパに渡った際にこの発音で伝わりました。現在は一般的には、原料の豆やほぼ加工がされていないものをカカオ、加工したものはココアと使い分けられています。
さて、店頭に並んでいるココアを見ると、「純ココア」とか「調整ココア」と書かれていることがわかります。価格から「純ココアは高級タイプなのかしら」とか「調整ココアはインスタントなのかな」などイメージで判断されている方も多いかもしれません。実は「純ココア」とか「調整ココア」は、チョコレート類の規格に基づく表示です。純ココアはココアバター(カカオ豆に含まれる油脂分のこと)が22%以上で水分は7%以下、香料はバニラ系のみという基準をクリアしたもの、調整ココアは純ココアに砂糖やナッツ、脱脂粉乳などが加わったものです。
違いといえば、ココアとホットチョコレートも気になるところ。こちらには厳密な定義はなく、一般にココア粉末からつくれば「ココア」、チョコレートを溶かしてつくれば「ホットチョコレート」と呼ばれているようですね。最近耳にする「ショコラショー」もホットチョコレートのことだそうです。
やさしい甘さでほっとするココアは、健康にも良い実力派。食物繊維やポリフェノールが豊富で、アンチエイジングや生活習慣病の予防などに効果があるとされています。
まだまだ寒さが続きますが、ココアで体も心もあたたかくお過ごしください。
※参考:
日本チョコレート・ココア協会 http://www.chocolate-cocoa.com/
株式会社明治 https://www.meiji.co.jp/
森永製菓株式会社 https://www.morinaga.co.jp/
健達ねっと https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/
ダンデライオン・チョコレート https://dandelionchocolate.jp/
一般社団法人 全国公正取引協議会連合会 https://www.jfftc.org/index.html
■最強!日本のパスポート
2月20日は旅券の日です。旅券とはパスポートのこと。パスポートは1866年(慶応2年)、幕府が日本人海外渡航の禁制を解き、初めて海外渡航文書を発給したのが始まりです。当初は「渡航文書」や「御免の印章」「旅切手」などいろいろな名前で呼ばれていたのを、1878年(明治11年)2月20日に「海外旅券規則」が制定され、法令上初めて「旅券」という言葉が使われたことを記念して定められました。
イギリスの国際的調査機関によると日本のパスポートの〝優秀さ″はなんと堂々の一位で「世界最強」。ビザなしで192か国と、最も多くの国への渡航ができるすごいパスポートです。それだけでなく、外交事情や日本人の海外渡航の際のマナー、不法滞在者が少ないことなど総合的な視点から評価されたそう。そんな世界一の日本国パスポートですが、その所持率は実は国民の4分の1。つまり、4人に1人しか持っていないのです。イギリスの保有率76%、アメリカの40%を考えるとかなり少ないように感じますね。
さて、第1号のパスポートが発行されたのは誰だと思いますか? 政治家と思いきや意外にも民間人で、隅田川浪五郎という曲芸・手品師です。取得したパスポートでパリ万博に向かったそうです。この時、隅田川浪五郎さんが手にした海外渡航文書は篆書体(てんしょたい)という書体が使われていたそうですが、実は現在に至るまで変わらず、ずっと同じ書体が採用されています。
世界的な感染症の流行により、海外旅行どころか国内旅行もままならなかった昨今ですが、ようやく動き始めたこの頃。旅券の日にちなんで、引き出しの奥深くに保管してあるパスポートを点検するのもおすすめです。
※参考:
外務省 https://www.mofa.go.jp/
タビジン https://tabizine.jp/
大阪府webサイト https://www.pref.osaka.lg.jp/
ESTA Online Center https://esta-center.com/
■懐かしの「昭和」が帰ってきた
もしも今、お手元にスマートフォンがあれば、オークションサイトやフリマサイトで「昭和レトロ」と検索してみてください。出てくる出てくる、懐かしい品々。〝昭和″が最近、昭和レトロという名でブームになっています。
昭和レトロブームに火をつけたのは、いわゆるZ世代と呼ばれる、1990年代後半から2012年頃に生まれた若者たち。SNSなどを通して広がり、老舗ガラスメーカーが昭和のデザインのグラスなどを次々と復刻させ、それが有名雑貨店に並ぶことでさらにブームは広がりを見せました。家電メーカーが昭和レトロデザインの製品を復刻販売し、話題にもなりましたね。
振り返れば昭和40年代、花柄の魔法瓶をきっかけに、ご飯を保温するジャー、炊飯ジャー、鍋類や食器にいたるまで花のモチーフのデザインが大流行しました。そこには機能優先の考え方から、キッチンライフを楽しんだりインテリアの調和を考えるという、暮らし方や意識の変化が垣間見えます。昭和世代がそんな時代を思い出す一方で、Z世代は祖父母宅で見たことがある風景だったり、古いドラマや映画で見た光景だったり。かわいい!という直感だけでなく、昭和世代が感じるノスタルジーとは別の新しさを楽しんでいるようです。
LPレコードやカセットテープ、使い捨てフィルムカメラといった、技術の進歩によってその役割を終えたかに見えた製品たちが、今再び静かに脚光を浴びています。
もしかすると、家の中にお宝が眠っているかもしれません。
※参考:
くふうLive!byヨムーノ https://live.kufu.co.jp/
タイガー魔法瓶株式会社
NHKオンライン https://www.nhk.or.jp/
TABI LABO https://tabi-labo.com/
リテールガイド https://retailguide.tokubai.co.jp/
ほぼ日刊イトイ新聞 https://www.1101.com/home.html