LDCレポート【4月号】
■「大人」が変わる春
2022年4月1日。この春、146年ぶりに変わる法律があります。
それは「大人」とみなす年齢、つまり成年年齢の引き下げです。こんなにも長い間、成年=20歳であったのになぜ今、改正したのでしょうか。理由はいろいろありますが、きっかけとなったのが、選挙権が18歳以上になった2007年の国民投票法です。若い人たちの政治や社会への参加を促し、自己決定権を尊重するとともに、若者の意見を政策に取り込むという狙いがあります。その政策の中で、民法も18歳を成年とするのが適当なのではないかと議論が起こったのです。世界的に見ても「成年年齢は18歳とする」とする国が主流なこともあり、今回の改正につながりました。ちなみに一般的に「成人」という言葉が多く使われますが、民法上は「成年」なのだそうです。
では、この成年年齢の引き下げによって何が変わるのでしょうか。身近なところでは、10年有効のパスポートが取得できたり、親の同意なしでクレジットカードがつくれたり、携帯電話の契約ができるようになります。1人暮らしの賃貸契約も結べますし、高額商品のローンも組めます。公認会計士や司法書士、行政書士、医師などの資格を取得できるようになります。
一方で、成年年齢が引き下がっても変わらないこともあります。飲酒や喫煙は健康面への影響から、競馬などの公営ギャンブルは非行防止や青少年保護の観点から、これまで通りです。他にも大型・中型運転免許の取得や養子を迎えることも、20歳の年齢制限があります。このあたりは新しく成年になる本人だけでなく、家族や職場の上司など、周りにいる大人たちも注意する必要がありそうです。
※参考:
政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/
法務省 https://www.moj.go.jp/
NHKオンライン https://www.nhk.or.jp/
朝日新聞EduA https://www.asahi.com/edua/
■不要になった家電、どう処分する?
季節は春。引っ越しや生活の変化に伴い、家電を買い替えたり処分したりする機会も増えると思います。しかし、いざ買い替え・処分となると、その処理に悩んでしまうこともありますね。
家電の処分が今のようになったのは「家電リサイクル法」によるもの。2001年に制定されました。その中で家電4品目と呼ばれる「テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機」については、小売業者による引き取りと、製造業者などによるリサイクルが義務付けられ、私たち消費者は廃棄する時に料金を支払うことが、それぞれの役割分担として定められています。
でもなぜ、テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機なのでしょうか。その理由として、これらの4品目は家庭ゴミ回収を行っている各自治体での解体が困難であること、希少なレアメタルなど、再利用可能な部品が比較的多いこと、メーカー側も将来的にリサイクルしやすいこと、販売店が購入者へ配達の際に旧製品の回収が容易なこと、といった要件が満たされていることが挙げられます。
さて、家電を処分する際、一番効率的なのは新しく購入した時に旧製品を回収してもらうことですが、迷ったりわからなかったりするのが、処分だけをしたい時。まずは購入した店舗に問い合わせるのが基本です。購入店舗がわからない、転居等で遠方であるといった場合は、「市区町村の」ホームページから収集運搬業者を探しましょう。
一般の検索サイトに無料回収とうたう広告を出している業者や、街中を巡回しているトラック、チラシをポストに投函している業者の中には、一般廃棄物処理業の許可を得ていない回収業者もいます。手軽だからといって不法業者に依頼すると、適正な処理が確認できないだけでなく、不法投棄や不適正処理、不適正な管理による火災の原因にも。さらに「無料」をうたいながら、高額な料金を請求されるトラブルもあるのだそうです。正しく処理しているかどうかが不明な時は、踏みとどまる勇気を持ち合わせたいものです。この4品目以外の家電の処分も「小型家電リサイクル法」という別の法があるので、お住まいの市区町村に確認しましょう。まだ使える家電なら、リユース品としてリサイクルショップに買い取り依頼する方法もあります。
家電の処分の仕方を守ることが、資源問題とごみ処理問題の解決につながります。テレビも冷蔵庫もエアコンも洗濯機も、使っている間は便利で快適な暮らしをもたらしてくれたもの。最後に処分するところまで責任を持ちたいですね。
※参考:
経済産業省 https://www.meti.go.jp/
環境省 https://www.env.go.jp/
一般財団法人 家電製品協会 https://www.aeha.or.jp/
一般社団法人産業環境管理協会 資源・リサイクル促進センター http://www.cjc.or.jp/
国立研究開発法人 物質・材料研究機構 https://www.nims.go.jp/
■新しい誕生石
「誕生石」という言葉は、ほとんどの方がご存じでしょう。身に着けると幸せが訪れるお守りとも言われ、古くは旧約聖書、新約聖書にも記述があり、占星術の信仰から始まったとも言われています。
各月と石とが結びつく現在のスタイルになったのは18世紀頃。ヨーロッパで広まったのち、アメリカが制定しました。実は誕生石は国際的に統一されたものではなく、各国によって違いがあります。日本で誕生石が定められたのは1958年(昭和33年)のことで、日本古来のサンゴを桃色にちなんで3月、緑色のヒスイを新緑の季節にからめて5月に加え、制定されました。
2021年12月、63年ぶりにこの誕生石の改訂が行われ、大きな話題になりました。新しい誕生石の一覧は以下の通りです。
1月…ガーネット
2月…アメシスト、(新)クリソベリル・キャッツ・アイ
3月…アクアマリン、サンゴ、(新)ブラッドストーン、(新)アイオライト
4月…ダイヤモンド、(新)モルガナイト
5月…エメラルド、ヒスイ
6月…真珠、ムーンストーン、(新)アレキサンドライト
7月…ルビー、(新)スフェーン
8月…ペリドット、サードオニックス、(新)スピネル
9月…サファイア、(新)クンツァイト
10月…オパール、トルマリン
11月…トパーズ、シトリン
12月…トルコ石、ラピスラズリ、(新)タンザナイト、(新)ジルコン
10種の誕生石が加わり、4つもの誕生石を持つ月もありますね。このうち、日本がオリジナルで制定したのは5種類。例えば2月のクリソベリル・キャッツ・アイは別名「猫目石」と呼ばれているので、2月22日の猫の日にちなんで選ばれており、4月のモルガナイトは桜をイメージして選ばれているのだとか。
宝石とは、岩石をつくっている鉱物の一種。まさに地球46億年の歴史の結晶と言えます。
大きさや値段ではなく、キラキラと輝くお気に入りのジュエリーを楽しむ気持ちを大切にしたいですね。
※参考:
全国宝石卸商協同組合 https://zho.or.jp/
プラチナ・ギルド・インターナショナル https://www.preciousplatinum.jp/
鉱物と隕石と地球深部の石の博物館 https://www.istone.org/
キャノンサイエンスラボ・キッズ https://global.canon/ja/technology/kids/
NHKオンライン https://www.nhk.or.jp/
小田急百貨店ウェブサイト https://www.odakyu-dept.co.jp/