LDCレポート【10月号】
■おうちで楽しむ「ひやおろし」
豊穣の秋を迎えて食卓がにぎやかになる今、多くのファンが待ちわびる「ひやおろし」がお目見えします。
ひやおろしとは、秋限定の日本酒。冬にしぼった新酒を春先に火を入れ、夏の間熟成させたのち、秋に出荷されるお酒を言います。一般的な日本酒は火入れを2度行い、殺菌や加熱によって発酵を止め、味わいを保ちますが、ひやおろしは2度目の加熱をしません。火入れをせず「冷や」でお店に「卸す」ことからこの名がつきました。火入れを2度しないことで瓶詰めされた後も瓶の中で発酵をつづけ、味わいの変化を楽しめます。
さて、10月1日が日本酒の日だということをご存じでしょうか。日本酒造組合中央会が制定した記念日で、由来は2つあります。1つは酒蔵が収穫したてのお米を使ってその年の日本酒を作り始める時期であること。もう1つは、十二支の10番目である「酉」という字がお酒の壷を表していることから10月、という説だそう。実りの秋の新米、そしてお酒を意味する月、どちらの由来にしても、10月は日本酒にとってまさに特別な月なのです。
海外にも多くのファンを持つ日本酒はわたしたちが誇るお酒ですが、感染症の影響で酒造業界も厳しい状況が続いています。日本酒は時間が経つと劣化するため、長期間寝かせておくことができず、かといって製造を減らすとコメ農家も困窮してしまうということに。農林水産省がインターネットにてイベントを開催し、買う・飲むことで酒造会社を支えようという試みも行われています。今年も10月1日の日本酒の日をはさむ9月25日から10月3日まで「日本酒で乾杯WEEK」として、イベントなどが行われています。
国内には1400以上の酒蔵があるとされます。ふるさとの酒蔵のひやおろしを探してみてはいかがでしょうか。
※参考:
農林水産省 https://www.maff.go.jp/
日本酒造組合中央会 https://www.japansake.or.jp/
日本名門酒会 https://www.meimonshu.jp/
沢の鶴株式会社 https://www.sawanotsuru.co.jp/site/
日刊工業新聞 https://www.nikkan.co.jp/
株式会社ニッポン放送 https://www.1242.com/
■手軽でおいしいフリーズドライ
常温保存がきき、お湯や水をそそぐだけで完成するフリーズドライ食品。コーヒーや味噌汁など、生活の中で身近にある食品です。
フリーズドライは、輸血用血液を運ぶために医学の分野で開発されました。この技術のおかげで5日間しか保存できなかった血小板の保存期間を1年間まで延ばせるようになったそうです。フリーズドライというと食品のイメージが強いのですが、もともとは医療技術だったのです。現在のフリーズドライは、-30℃で凍結させた食品を真空状態にして乾燥させる最先端の技術で、食品に熱を加えないため食材の色や香り、食感などもそのまま、栄養価も損なわれないという特色があります。さらに保存料が不使用にもかかわらず保存食や非常食、携行食としてもOK。お湯や水を加えるだけという手軽さもあって、市場は拡大の一途をたどっています。
さて、お湯や水で戻る仕組みは、実はその製造方法にあります。製造工程の中で水分を氷にした状態で昇華(しょうか=固体が液体にならず直接気体になること)させるため、氷があったところはすき間ができてスポンジ状になっています。このすき間に水分が入ることで食品を〝復元″できるのです。技術の進歩により、最近はとんかつやポテトサラダ、カレーといった主食級も登場し、外国人観光客や海外に暮らす方々にも好評だとか。宇宙食としても活用されていて、アイスクリームやたこ焼きもあるそうです。
生活の多様化で「個食」が多くなる中、気軽に食べることができるフリーズドライは、まさに時代が求めた食のあり方のひとつとも言えそうです。
※参考:
農林水産省 https://www.maff.go.jp/
株式会社コスモス食品 https://cosmosfoods.co.jp/fd/
アサヒグループ食品株式会社 https://www.asahi-gf.co.jp/
宇宙の店 https://spacegoods.net/
■ファスティングで身も心も軽く
実りのシーズンを迎え、食べ物がおいしい季節になりました。日本は野菜や果物が季節を問わず店頭に並び、スーパーやデパ地下、コンビニへ行けばいつでもおいしい食べ物が手に入るという、食生活の豊かさにおいては世界トップレベルでしょう。そんな日本で近年、静かなブームになっているのが「ファスティング」です。
ファスティングとは、断食のこと。断食というと飲まず食わずで修行するようなイメージがありますが、栄養を摂らず水だけ飲んで過ごすのは「絶食」です。ファスティングは食事こそ摂らないものの、代わりにスープやジュースなどで必要最低限の栄養は摂取するので、絶食とは違うものです。また体内の老廃物を排出するデトックスの意味合いが強く、胃腸を休ませて整えるため「体の大掃除」に例えられます。
本格的なファスティングは7~10日間ほどですが、週末だけ、月1などの「プチファスティング」でも効果が見込めることも、愛好者を増やす追い風になっているようです。
ファスティングは実施している間よりも、終わってから通常食に戻す時のほうが難しいと言われます。十分休んだ胃腸は、入ってきた食品を吸収しやすくなっているためです。今は数多くのファスティング施設もあるので、そういうところを利用するのもおすすめです。
起きている時間は、フル回転しているといっても過言ではない胃腸を休ませ、自分に合ったファスティングで、心も体も軽く。今こそ、ファスティングにトライしてみてはいかがでしょうか。
※参考:
やすらぎの里 https://y-sato.com/honkan.html
養命酒製造株式会社 https://www.yomeishu.co.jp/
株式会社ライトハウスメディア https://oceans.tokyo.jp/
株式会社プロラボホールディングス https://innerbeautysalon.jp/