LDCレポート【1月号】
■「百薬の長」の王様、お屠蘇
お正月の浮かれた気分をおとそ気分といいますが、元旦の日に家族そろって飲むお祝い酒といえば、お屠蘇ですね。
お屠蘇はお正月のお酒で、日本では古来より縁起のいいものとされています。しかし、お屠蘇の知名度は抜群なれど、その意味や詳しいことは知らない、という方も多いのではないでしょうか。
お屠蘇とは、数種類の生薬を調合した屠蘇延命散を、お酒やみりんに漬け込んだお祝いのお酒のことです。その歴史は古く、延命長寿と無病息災を祈る中国の行事から、平安時代の貴族へと伝わりました。庶民へ広がったのは江戸時代。現代にも、一年間の邪気を祓い長寿を願うお正月行事として継がれています。
屠蘇とはふだんは見聞きしない言葉ですが、これは「邪気を屠(ほふ)り、魂を蘇(よみがえ)らせる」の意味です。ちなみに、一般的によく使われる生薬は「白朮(ビャクジュツ)」「山椒」「桔梗」「肉桂(ニッケイ=シナモン)」「防風(ボウフウ)」。これらの生薬がまとめられたものが「屠蘇散」で、デパートやスーパー、ドラッグストアなどで入手できます。
屠蘇散を用意したら、お酒と本みりんを混ぜて300ml程度にし、7~8時間ほど漬ければ出来上がりです。みりんを多くすれば甘口、日本酒が多めだと辛口になります。大切なポイントは、必ず「本みりん」を使うこと。本みりんは醸造アルコールの扱いで価格も高めですが、コクと香りがあります。大晦日の夜に仕込んで、元日の朝に屠蘇散を引き上げれば完成です。お雑煮やおせち料理を食べる前にいただくのですが、若者の精気を年長者へ渡すという意味で、年少者から順に年長者へと杯をすすめるとか。また、三が日の来客には、お屠蘇をふるまうのが礼儀だそう。
女性の社会進出と核家族化にともない、お正月の準備も合理化されている昨今ですが、おうち時間の増えた今だからこそ、お屠蘇を仕込んでみんなでいただき、無病息災を願うのもいいかもしれません。
※参考: 農林水産省 https://www.maff.go.jp/
くすりの博物館 http://www.eisai.co.jp/museum/index.html
東京ガス株式会社 https://www.tokyo-gas.co.jp/
日本名門酒会 https://www.meimonshu.jp/
@DIMEアットダイム https://dime.jp/ ESSE online https://esse-online.jp/
■現地に行く以外にも。災害ボランティア
大地震や台風などの災害が発生すると被災地にボランティアが駆け付け、復旧を支援する。今では珍しくないこの光景ですが、きっかけとなったのは26年前の1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災でした。全国から延べ130万人以上の人々がボランティア活動に参加し、炊き出しや救援物資の仕分けと配送、避難所での作業の手伝いなどが行われましたが、その多くは初めてのボランティアだったそうです。
この時、活動希望者と被災者の要望が合わなかったなどの課題を残したことから、ボランティアコーディネーターの必要性が叫ばれ、それ以来大きな災害が起こると、現地に災害ボランティアセンターが立つようになりました。
さて、災害が起きてボランティアに行こうと思った時、まずしなければいけないことは被災地の状況を確認することです。ボランティア活動を支援している団体のウェブサイトやSNS等で情報を得ましょう。活動者自身を守るためのボランティア保険への加入も忘れずに。被災地に負担をかけないよう、当座の自分の食べ物や飲み物も持参しましょう。特に食事については、現地で調達をしないことが大前提です。体調も万全に整えて現地入りをしましょう。現地に到着したらボランティアセンターで受付けをし、オリエンテーションを受けるのが基本です。
年齢やさまざまな事情で被災地に入るのが難しい時もあります。でも災害支援は、現地でのボランティア活動だけではありません。募金をしたり被災地の特産品を購入することも立派な支援です。
阪神・淡路大震災が発生した1月17日は「防災とボランティアの日」、そして1月15日から21日の1週間は「防災とボランティア週間」です。ボランティアや自主的な防災活動についての認識を深め、災害への備えを強化する機会にしたいですね。
※参考: 政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/
総務省統計局 https://www.stat.go.jp/
社会福祉法人全国社会福祉協議会 https://www.shakyo.or.jp/
公益財団法人国際文化フォーラム https://www.tjf.or.jp/
■1月10日は「110番の日」
事故や事件を目撃した時など、緊急時に通報するのが110番。1月10日は「110番の日」です。1985年(昭和60年)、110番の適切な使用を推進するため、警察庁が定めました。2018年(平成30年)の統計では、110番通報はおよそ916万件で、約3.4秒に1回、通報を受けた計算になるそうです。
また、スマートフォンや携帯電話からの通報は年々増え続け、今では通報のおよそ75パーセントを占めています。通報する際には現在地を確認し、電柱に表示されている住所や交差点の名前、見えている建物などを伝えましょう。知らない場所で正確にわからなくても、警察の方がちゃんと誘導してくれるので大丈夫です。さらにスマートフォンでは、話しかけて操作する機能を使った通報が可能になっていて、今後はアプリなども普及していくかもしれません。
ちなみにこれらの緊急通報用の電話番号は、日本では事件・事故が110番、救急・消防は119番と別になっていますが、海外ではアメリカやカナダは911、オーストラリアは000と共通なところもある一方で、フランスは警察・消防・救急はすべて異なる番号です。多くの国が2ケタもしくは3ケタになっているのも「緊急」ならではの共通点です。
110番がいざという時に頼りになるとはいえ、問い合わせや悩みごとなどでかけてしまうと、緊急の事故や事件への対応が遅れる原因にもなってしまいます。警察の対応を必要としないもの、緊急性のない通報は♯9110番(警察相談専用電話)を利用し、1人ひとりが適切な利用を心掛けたいものです。
※参考 総務省統計局 https://www.stat.go.jp/
警察庁 https://www.npa.go.jp/
警視庁 https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/
KDDI株式会社 https://www.kddi.com/
アイティメディア株式会社 https://www.itmedia.co.jp/
成功する留学 https://www.studyabroad.co.jp/
統計データ出典/令和元年 警察白書