LDCレポート【4月号】
■付箋を使いこなそう
糊が裏面に薄く付いている、貼って剥がせる便利なステーショナリー、「付箋(ふせん)」。もとは、アメリカのとあるメーカーが、より強力な接着剤の開発で試行錯誤していた中で偶然生まれた、接着力が弱くて剥がれやすい「失敗作」でした。ところが、讃美歌の本にはさんだしおりがすぐ落ちてしまうことに悩んでいた同社の社員が、しおり兼用のメモ紙にしようと思いついたのがきっかけだそう。こうして、それまでなかった「貼って剥がせるメモ」が誕生しました。1980年のことです。
でも、日常生活ではあまり使わないという方も少なくないのでは? 今や付箋はデスクワークだけのものではありません。ポイントその1は「使い惜しみせず、どんどん使う」こと。手元に置いておけば、新聞やテレビを見ていて気になった本の名前や商品などをメモできます。ポイントその2は付箋の特徴でもある「用事がすんだら捨てられる」を最大限に活用すること。調味料などのストックが切れたら付箋にメモして貼っておき、買い足したら付箋を捨てるようにすれば、買い忘れや買いすぎを防げます。また、やるべきことを1つずつ付箋に書けば予定が可視化でき、終わって捨てることでプチ達成感が得られてオススメです。
最近はバリエーションも増え、例えばティッシュのように出せるものや、好きな長さにカットできるロールタイプのもの、フィルムタイプのもの、接着力が強くてはがれにくいものなど、実にさまざまです。最近は屋外や水回りにも強く、外壁など凹凸のある場所に貼れるという耐水・耐候性タイプの付箋も登場し、建設現場や厨房などで働く人々を驚かせました。用途に応じて付箋を使いこなせば、作業の効率化だけでなく、暮らしの利便性にもつながりそうです。
※参考:
スリーエムジャパン株式会社 https://www.3mcompany.jp/3M/ja_JP/company-jp/
日東電工株式会社 https://www.nitto.com/jp/ja/
アスクル株式会社 https://www.askul.co.jp/ 価格.comマガジン
■大人の髪の悩みに、ヘアブラシ
髪の毛の悩みは老若男女かかわらず発生しますが、特に女性にとって「ハリ、コシがなくなった」「ボリュームが出なくてヘアスタイルが決まらない」という悩みは多いようです。ほとんどの方がシャンプーやトリートメントを替えたり、ボリュームを出すためにパーマをかけたり、ウィッグを活用するといった工夫をされているのではないでしょうか。そんな方も、今お使いのヘアブラシを見直してみませんか?
髪をとく(ブラッシング)の目的は、髪のもつれをほぐすこと、髪や頭皮の汚れを取り除くこと、頭皮の血行を良くすること、髪につやを与えることがあげられます。が、実はそれ以外にも、ヘアブラシの種類やブラッシングの方法によって得られる効果が違ってくるのです。
最もポピュラーなヘアブラシは「デンマンブラシ」。細かい目のブラシなので髪をしっかりとかすことができます。1本ですべてをまかないたい方にはよいでしょう。しかし頭皮や育毛、美髪を考える方には、毛の根元がクッションになっている「クッションブラシ」やカヌーをこぐ櫂のような形の「パドルブラシ」がおすすめです。
ブラシの毛もいろいろあります。獣毛は静電気が起きにくいのですが、ちょっと高価格。プラスチックや金属は静電気が発生しやすく刺激も強めと言われますが、最近は加工を施したものもあるので、予算に応じて選べばよいでしょう。ちなみに髪の量が多い方はイノシシ毛、細くて柔らかい場合はブタ毛が適しているといわれます。
ブラッシングも、ただ漫然と髪をとかしているだけではもったいないです。髪の毛が乾いた状態で、まずは生え際から後頭部に向けてすっと流すように。ブラシをジグザグに動かすと、頭皮のマッサージ効果が高まります。さらに毛の流れに逆らってブラッシングすればふんわり感がアップします。
今では100円ショップでも買えるヘアブラシですが、自分に合ったヘアブラシを選んでブラッシングを意識することで、望む美髪をかなえられそうです。
※参考:
全日本ブラシ工業協同組合 http://www.ajbia.or.jp/
株式会社クレイツ https://createion.jp/
キナリノ https://kinarino.jp/
モノレコ https://mono-reco.jp/
朝日新聞Reライフネット https://www.asahi.com/relife/
美的.com https://www.biteki.com/
■麒麟がいる橋、日本橋
1603年、関ヶ原の戦いで勝利し、征夷大将軍となった徳川家康は江戸に幕府を開きました。家康は江戸と各地を結ぶために大規模な道路整備にとりかかり、その道路の起点としたのが、日本橋です。
日本橋が架けられたのは1603年の4月。江戸市街の中心地にある木造の日本橋は大火のたびに類焼し、なんと10回も全焼、半焼の憂き目に遭っているそうです。現在の日本橋は20代目で、1911年(明治44年)に完成しました。それまでの日本橋は木造で経年劣化も進み、大都市として発展していた東京の顔にそぐわないとされ、旧東京市が改築を担当しています。見た目は石造りの橋ですが、実は石でできているのは外観だけで、内部はコンクリートとレンガが使われるという、世界的にもとても珍しい工法で、その理由は未だに解明されていません。
東京の顔にふさわしく美しい装飾が施されているのも特徴で、橋の両端の獅子像は、奈良の手向山八幡宮の狛犬やルネサンス期のライオン像を参考に製作されました。橋の上にある装飾柱には吉兆のシンボルでもある麒麟が置かれています。この麒麟には、日本の道路の起点となる日本橋から飛び立つというイメージを持たせるため、羽がつけられています。
橋の歩道には東京大空襲の焼夷弾による焦げあとや凹みが見られますが、2010年(平成22年)の補修工事の際にも、あえて歴史の爪痕として残してあります。関東大震災の時の焼け跡も残っており、まさに歴史を物語る橋です。
1964年(昭和39年)の東京オリンピックの際に橋の上に高速道路がかかり、景観が損なわれていましたが、ようやく高速道路を地下ルートにすることが決定しました。空を取り戻した日本橋を江戸人のように歩くのも、夢ではなさそうです。
※参考:
東京都公文書館 https://www.soumu.metro.tokyo.lg.jp/01soumu/archives/
公益財団法人東京観光財団 https://www.gotokyo.org/jp/
まち日本橋 https://www.nihonbashi-tokyo.jp/
『サライ』公式サイト https://serai.jp/
月刊日本橋 https://nihombashi-tokyo.com/jp/
日本橋経済新聞 https://nihombashi.keizai.biz/