LDCレポート【2月号】
■ストレッチで柔軟な体に
長寿社会を迎え、健康への関心が高まりをみせる中、体を動かすことの大切さがクローズアップされています。中でもストレッチは手軽にできるとあって、多くの支持を集めています。
伸ばす、という意味のストレッチから、最近は「筋を伸ばす体操」のことを指すストレッチングという言葉も耳にするようになりました。ストレッチングはひらたくいうと「柔軟体操」のことで、ヨガやピラティスもストレッチングのひとつです。意図的に筋や関節を伸ばす運動を行うことにより、よい姿勢を保つ効果やリラクゼーションに効果があることがわかってきました。
そもそも私たちは、ふだんの生活の中で決まった筋肉しか使わないことが多く、筋の柔軟性に偏りが出てきます。この偏りは体の動きを制限させることにつながります。ケガを予防したり、硬く縮んでしまった筋肉を伸ばして元の長さに戻してくれるのがストレッチング。柔らかくなった筋肉は血流のポンプ機能を上昇させ、代謝を高めます。関節可動域が広がり、筋温や体温が上昇することで、肩こりや腰痛、脂肪燃焼の効果も期待できるそうです。
ただ、生活習慣病の予防に効果があるか否かという正式なエビデンス(根拠)が示されていないため、健康寿命を延ばすというよりは、柔らかい体をつくり血行を促進させ代謝を良くするという風に考えるといいかもしれません。
走ったりトレーニングしたりといった激しい運動がむずかしい人も、ストレッチングなら手軽にできるので、自分のペースで定期的に行うのがおすすめです。
※参考:
厚生労働省e-ヘルスネット
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
公益財団法人長寿科学振興財団 https://www.tyojyu.or.jp/
ストレッチラボ横浜 https://www.esforta.co.jp/stretchlab/yokohama/
■預金口座と休眠預金
「前の勤務先で給与振込口座としてつくった」「子どもの頃に親がつくってくれた口座があるかも」「昔住んでいた場所の地銀の口座があるが転居してそのままにしてある」など、使っていない預金口座はありませんか? このうち、10年間取引がない預金を休眠預金と言い、毎年なんと1200億円ほど発生しているのだそうです。
休眠預金はこれまで、金融機関ごとの扱いルールにのっとり、最終的には金融機関の収益となっていました。そのお金を福祉の分野など社会や人々のために役立てようということで、2018年に「休眠預金等活用法」という法律が施行され、2009年1月1日以降、10年以上取引がない預金は「休眠預金」とされます。対象になる預金は、普通預金や当座預金、貯蓄預金などで、外貨預金、財形などは非対象です。
とはいえ、いきなり休眠預金になってしまうわけではありません。休眠預金になりそうな時点で1万円以上の残高がある場合は金融機関から登録の住所へ通知(またはメール)が送られてきます。この通知が届けば、その預金は休眠預金にはなりません。しかし引っ越しなどで転居先不明になり、通知を受け取れない場合は休眠預金になります。さらに残高金額が1万円未満の場合は通知が来ないので、基本的には自己責任となります。つまり休眠預金になりやすいのです。
休眠預金と認定された後は、預金保険機構という機関へ移管されることになりますが、移管後も請求すればきちんと引き出せるのでご安心を。もちろん、所定の手続きを要しますが、年間500億円ほどの払い戻しがされています。
自分の身の回りだけでなく、老いた親や兄弟、つくったまま放置してあるお子さんの口座など、この機会に確認してみませんか。
※参考:
金融庁 https://www.fsa.go.jp/
政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/
独立行政法人 国民生活センター http://www.kokusen.go.jp/
■知っておきたい住民拠点サービスステーション
地震や台風、大雨など大規模な災害に備える意識が高まっています。ですが、食料備蓄や防災用品の備えは万全なご家庭でも、燃料まではなかなか意識できないのが実情ではないでしょうか。そのため、大きな災害が発生すると「とにかく燃料補給を」とガソリンスタンドに長蛇の列ができる光景が繰り広げられます。激甚災害が多発するこの頃、水や食料などの備蓄物資とともに「燃料」についてもあわてないために、ふだんから備えておきたいところです。
でも、有事の際はなぜスタンドが大渋滞するのでしょう。多くの人が給油のために殺到するのもありますが、そもそもガソリンスタンドは地下の巨大なタンクの中に燃料油を保管しており、電力でくみ上げて給油しています。災害等で停電になると電動ポンプが使えないためいったん営業をやめる、あるいはポンプが手動になるので給油に時間がかかって大混雑を招く原因になるというわけです。
そこで国は今、停電になっても営業できる自家発電設備を備えたり、大型タンクを設置したガソリンスタンド=サービスステーションの設置を進めています。それが「住民拠点サービスステーション」です。目標は今年度8000店で、昨秋の段階ですでに約3500店舗が指定されているとか。資源エネルギー庁のホームページでは、給油所の名前、所在地や電話番号等が確認できるので、自宅や勤務先といった自分の関わりのある場所の近くの住民拠点サービスステーションを確認しておくと安心です。
私たち消費者側もふだんから災害対策として「満タン&灯油プラス1缶」を心掛けたいもの。車のガソリンは残り半分になったら給油する、灯油は常に予備を1缶用意しておくという、防災のための燃料備蓄です。
しかし灯油は危険物でもあります。火気厳禁の冷暗所での保管はもちろんのこと、ふたを密閉する、翌年に持ち越さないことも重要です。また意外と見落としがちなのが、灯油の容器の劣化です。実は灯油容器には製造年月が記載されているそうで、これを機会に確認してみるのもいいかもしれません。ちなみに耐用年数はおよそ5年だそう。そして灯油容器にガソリンを保管することは禁止です。もともと個人でのガソリンの保管は安全上の問題から推奨されるものではありませんが、どうしてもの場合は専用の携行缶へ。セルフのガソリンスタンドでは携行缶への給油は禁止されています。
災害はいつ起きるかわかりません。防災への備えの中に、近くの住民拠点サービスステーションの確認と、燃料の備蓄をプラスしましょう。
※参考:
政府広報オンライン https://www.gov-online.go.jp/
経済産業省 資源エネルギー庁 https://www.enecho.meti.go.jp/
千葉県石油協同組合 千葉県石油商業組合 http://chibaseki.jp/
株式会社油業報知新聞社 http://yugyouhouchi.co.jp/